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オーナーへメッセージ

2016年02月24日

自分の生まれ育った国を心から愛することができれば

「海外に留学して、外国の文化に触れたい」

 そんなY子ちゃんの夢が叶ったのは、大学一年生の時。
 イギリスに二週間の短期留学をしたY子ちゃんは、
 異なる文化や歴史を持つ人たちと交流し、
 さまざまな刺激を受けました。
 ホームステイ先の家の人たちも、
 とても親切にしてくれたそうです。

 楽しい時間はあっという間に過ぎ、
 Y子ちゃんの帰国の日が近づきました。
 ホームステイ先の家族が開いてくれた、
 お別れパーティー。
 おばあちゃんがY子ちゃんに話しかけます。

「遠い日本から、よく来たわね。
 ところで、わがイギリスには、
 ナポレオン軍を破った、ネルソンという
 素晴らしい提督がいるの。
 あなた、ネルソンを知っているかしら?」

「ごめんなさい、知りません」

 ネルソンの名を初めて聞いたY子ちゃんが、
 恥ずかしそうに答えます。
 すると、おばあちゃんは穏やかな表情で、
 言葉を続けました。

「ネルソンはイギリスの英雄だから、
 日本人のあなたが知らなくても、まぁいいわ。

 でも、日本にも、ネルソンに勝るとも劣らない、
 海軍の素晴らしい提督がいたわよね。

 あなたは、東郷 平八郎のことは知っているでしょう?」

 東郷 平八郎は、
 明治三十七~三十八(一九〇四~五)年にかけて行われた
 日露戦争で、連合艦隊司令長官を務めました。

 東郷が指揮を執った日本海海戦は、
 世界史の中で、他に例がないほど、
 完璧な勝利だったとされています。

 当時、アジアやアフリカの国々の多くが、
 西洋諸国の植民地になるか、
 実質的な支配を受けていました。

 そのような中で、日本は独立を
 守り通すことができたのですが、
 もし日露戦争に敗れていれば、
 それも困難だったかもしれません。

 その日露戦争の勝敗を決定的づけたのが
 日本海海戦ですから、まさに東郷平八郎は、
 勝利の立役者であると同時に、
 国家存亡の危機を救った英雄の一人と言えるでしょう。

 さらに、アジアの小国である日本が、
 十倍以上の国力の差をはねのけて
 大国・ロシアに勝利したことは、
 アジア、アフリカの多くの人々を勇気づけ、
 その後、彼らが独立運動を起こす
 きっかけの一つとなりました。

 このように、日露戦争における日本の勝利と、
 それに伴う東郷の活躍は、世界史の中では、
 ひじょうに大きな、意義深いものとされています。

 ところが、肝心の日本では、戦後七十年の間、
 東郷はじめ先人たちが紡いできた物語が語られる機会は、
 あまり多くはありませんでした。
 実は、Y子ちゃんは、それまで
「東郷 平八郎」の名も聞いたことがなかったのです。

「知りません」

 再び彼女が恥ずかしそうに答えると、
 今度はおばあちゃんの顔が途端に険しくなりました。

「十八年間お世話になった国の歴史も知らないあなたが、
 なぜ、たった二週間で外国の文化を理解できると思うの?

 自国の歴史を知るということは、
 先人たちが、何を恐れ、何を信じ、
 何を大切にしてきたかを学ぶということ。

 それらがわかっているからこそ、
 外国の歴史や文化と比較し、それぞれについて
 理解を深めることができるの。

 日本人は、異文化交流なんて言って、
 大勢海外に出かけていくけれど、
 本当に異文化交流をしたければ、
 まずは自国の歴史や文化を勉強しなさいと伝えたいわ」

 おばあちゃんの言葉は、真の国際人とは何かを、
 端的に表していますね。

 外国語が堪能なだけでは、国際人とは呼べません。
 語り合うべき中身を持っているのか、
 ということですよね。

 帰国したY子ちゃんは、
 おばあちゃんの言葉を胸に刻み、
 歴史の勉強に励んでいるそうです。

 日本の歴史や文化について理解を深めれば、
 きっと誰もが日本を好きになり、
 自分が日本人であることに
 誇りを持てるようになると思います。

 自分の生まれ育った国を心から愛することができれば、
 同じように、他国の人々も母国を愛し、
 誇りに思っていることに気づきますよね。

 そういうお互いの気持ちを大切にして、
 信頼関係を築いていけるのが、
 真の国際人と言えるのではないでしょうか。


 ◆歴史を学ぶと、希望が生まれる!
 『子どもの心に光を灯す日本の偉人の物語』(白駒妃登美・著)
・・・・・・・・・
自分の・・・親のことも
墓参りも・・・しますか・・・  
Posted by プラス at 20:20Comments(0)